沖縄県は、シングルマザーの割合が全国平均を上回っています。
ではなぜ、シングルマザー世帯が多いのでしょうか。
そこには経済的な困窮、雇用環境の課題、沖縄の伝統的な価値観など、さまざまな要因が関係しています。
今回は、離婚率の高さとその背景にある4つの理由から、沖縄県でシングルマザーが多くなる原因を紐解いていきます。
また記事の中で、沖縄県のシングルマザー向けの支援制度も紹介していますので、ぜひお役立てください。
メディア監修 かみざと
沖縄で豊かに暮らせる人を増やす活動をしています。直近の目標は、沖縄で月商100万円以上のフリーランスを5名以上育てることです。
【実績】
・年商数億円規模企業のマーケター
・年商1000万円規模企業のマーケティング責任者
・年商5000万円規模IT企業代表
・月商50万円以上フリーランス多数輩出
沖縄にシングルマザーが多い理由とは?
沖縄県の調査によると、2023年の母子家庭出現率は4.38%で、全国1位となっています。
2021年度の全国調査と比較すると約2倍で、沖縄県でシングルマザーが特に多いことがわかります。
そして、沖縄県のなかでも本島中部が最も高く、4.89%です。
これは、本島中部には米国基地が集中しているため、関係者との婚姻後に父親が離れていくことが影響していると考えられています。
このようにシングルマザーが多い沖縄ですが、その背景には高い離婚率が関係しているようです。
では、沖縄県の離婚率が上がる4つの理由について順番に説明していきましょう。
沖縄の離婚率が高い4つの理由
沖縄県が2022年に実施した調査によると、離婚率やその原因となった出来事について、以下のことがわかっています。
<離婚率>
- 沖縄:2.13%
- 全国平均:1.47%
<シングルマザーになる前の家庭内での出来事>
- 元配偶者からのあなたへの暴言・暴力: 32.3%
- 借金の問題: 26.2%
- 主な稼ぎ手が生活費を入れない問題: 24.5%
このことから、沖縄の離婚率が高い理由には、お金の問題や配偶者によるDVが影響しているといえそうです。
その代表的な例として、以下4つの理由が挙げられます。
<沖縄の離婚率が高い4つの理由>
- 失業率が高い
- 収入が少ない
- DVの発生率が高い
- 結婚・出産の年齢が低い
1.失業率が高い
離婚率が上がる理由のひとつが、失業率が高いことです。
<2024年4月の失業率>
- 沖縄:3.9%(沖縄県調べ)
- 全国:2.6%(総務省統計局調べ)
このように、沖縄県の失業率は全国平均を大きく上回っています。
その原因として考えられるのは、沖縄県内は中小企業が多いこと。
公務員や大企業など安定した職に就ける人は限られているため、性別問わず不安定な雇用条件で働いている人が少なくありません。
仕事を失って家計が苦しくなれば、夫婦の経済観がくい違う原因になり、離婚に至るケースが増えやすいです。
このように、失業率の高さが離婚率の上昇にも影響しているといえます。
2.収入が低い
また、沖縄県は平均収入が低いことも挙げられます。
転職求人サイトdodaの調査によると、沖縄県の平均年収は全国最下位。
※日本のビジネスパーソン(会社員、サラリーマン)の平均年収(2022年9月~2023年8月)
夫婦共に収入が低いままだと、経済的な困窮から家庭不和に陥りやすくなります。
しかし、沖縄県内では収入を上げるために転職するという選択肢は考えにくいです。
収入の低さは借金や生活費にも影響するため、それがストレスになり、最終的に離婚に至りやすいというわけです。
3.DVの発生率が高い
また、沖縄県はDVの発生率が高いことも問題としてあります。
先ほども紹介したとおり、沖縄県の調査によると、離婚経験者のなかで元配偶者から暴言や暴力を受けていた人は32.3%にものぼります。
そして、暴言や暴力が原因で離婚するケースも例外ではありません。
実際のところ、沖縄のDV発生率は全国平均より高い傾向にあります。
保護命令の発令件数を見ても、全国平均の3倍以上です。
<保護命令の発令件数(人口10万人当たり)>
- 沖縄:3.67件
- 全国平均:1.06件
自分の母親がシングルマザーで幼少期にさみしい思いをしていると、その反動でDVに走ってしまう男性もいるようです。
沖縄のDV率が高いのは、そのような背景が影響しているのかもしれません。
4.結婚・出産の年齢が若い
沖縄県は低年齢での出生率が高いです。
厚生労働省の調査(2019年)によると、沖縄県内で10代の妊娠、出産の割合は2.6%。
全国平均が1.1%なのに対し、沖縄県は2倍以上であることがわかっています。
若くして妊娠や出産を経験すると、経済的に困窮しやすい状況になり、それが原因で夫婦関係に溝が生まれてしまいます。
そして精神的な未熟さから、夫婦関係や育児に対してストレスを抱えやすい状況に陥り、そのまま離婚に至るケースも多いのです。
その一方、沖縄では家族や地域で子どもを育てる風習があるため、シングルマザーになることへの抵抗感が低いともいえます。
どちらにせよ、結婚や出産の年齢が若いことが、離婚率上昇の一因になっているといえそうです。
【沖縄県】シングルマザー向けの給付金・貸付制度
ここまでお伝えしたとおり、高い離婚率がゆえに沖縄県にはシングルマザーが多い傾向にあります。
そんな沖縄県では、ひとり親家庭の支援をするため、「就業支援」「子育てと生活支援」「経済的支援」「養育費の確保等」を柱に、さまざまな事業を展開しています。
扶養手当や医療費の助成といった経済的支援のほか、ヘルパー派遣、認可外保育施設の利用料、バス通学費の補助など、支援の内容はさまざまです。
ほかにも、以下のような給付金や貸付制度も用意されており、シングルマザーが気軽に相談できる体制も整っています。
自立支援教育訓練給付金
就職等に結びつく可能性の高い教育訓練講座等を受講した際に、支払った受講費用の60%相当の額を支給します。
対象:ひとり親家庭の母又は父
詳しくは以下のリンクをご覧ください。
>自立支援教育訓練給付金事業
高等職業訓練促進給付金
看護師や介護福祉士などの資格取得のために6月以上養成機関等で就業する場合に、生活費の負担軽減のため給付金を支給します。
対象:ひとり親家庭の母又は父
詳しくは下記リンクをご覧ください。
>高等職業訓練促進給付金等事業
高等職業訓練促進資金貸付金
入学準備金として50万円、就職準備金として20万円を貸し付けます。
取得した資格を活かして5年間就労した場合、返済が免除になります。
対象:高等職業訓練促進給付金の支給対象となる方
詳しくは下記リンクをご覧ください。
>ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付事業
高等学校卒業程度認定試験合格支援事業
ひとり親家庭の親又は子どもが高卒認定試験を受講した場合、受講修了時に受講料の20%、合格時に40%を支給します。
対象:町村在住者
詳しくは下記リンクをご覧ください。
>高等学校卒業程度認定試験合格支援事業
母子父子寡婦福祉資金貸付金
低利又は無利子で修学資金など全12種類の貸付を行っています。
対象:ひとり親家庭の親や子ども
詳しくは下記リンクをご覧ください。
>母子父子寡婦福祉資金貸付金
ひとり親家庭住宅支援資金貸付金
住宅の借り上げに必要となる資金の償還免除付きの無利子無担保の住宅支援資金貸付を行います。
対象:母子・父子自立支援プログラムの策定を受け、就労に通じた自立に向けて意欲的に取り組んでいるひとり親
ここで紹介したのは、ほんの一例です。詳しくは沖縄県のホームページでご確認ください。
【沖縄県】シングルマザー向けの就業支援
沖縄県では、ひとり親家庭向けの給付金や貸付制度に加えて、就業支援を行っています。
その中心となっているのが、「公益社団法人 沖縄県母子寡婦福祉連合会」です。
無料の相談窓口のほか、自立や就業に向けて資格や技能を取得できる無料の講習会を実施しています。
ここからは、その一部を紹介していきます。
介護職員初任者研修
ホームヘルプサービスを提供するために必要な知識や技能を習得する。
対象:介護の仕事を目指す人
介護福祉士実務者研修
国家試験の受験資格に義務付けられた実務者研修を実施する。
対象:介護福祉士を目指す人
介護福祉士国家試験対策講座
国家試験に合格するための対策講座を実施する。
対象:3年以上介護などの業務に従事し、介護福祉士実務者研修を修了した者
家庭生活支援員養成講習会
日常生活支援事業の支援員を養成するための講習会を実施する。
建築技術実務者研修
ひとり親家庭の自立促進と経済的な安定を図ることを目的として、建築技術実務研修会を実施する。
また、研修終了後は建設業への就職を支援する。
対象:県内中小建設業での就職を希望する女性
パソコン講習会
デジタルスキルの資質向上を図ることを目的として、講習会を実施する。
対象:事務職への転職を考えているひとり親等
資格取得やスキルアップを考えている方は、ぜひ以下のページをご確認ください。
>公益社団法人沖縄県母子寡婦福祉連合会ホームページ
シングルマザーが貧困から抜け出すには?
シングルマザーの方々は、ひとりで子どもを養いながら生計を立てなくてはいけません。
しかし、子育てをしながら会社員や事務員としてフルタイムで働くのは、ハードルが高いです。
また、条件のいい求人にはそれだけ人が集まるので採用率も下がってしまい、なかなか希望どおりの仕事に就けないことも。
そのような状況のなかで、正社員として働くために手に職をつけたいと考えているシングルマザーの方も多いのではないでしょうか。
沖縄県でも需要が多い看護や介護の仕事には、シングルマザーにも嬉しい以下のような特徴があります。
・安定した収入を得やすい
・未経験歓迎の求人が多い
・シングルマザーの雇用に積極的
看護や介護の仕事は多様な働き方を選べるだけでなく、職場の理解も得やすい傾向にあります。
もしこれらの仕事を目指すなら、先ほど紹介した講習会を活用しながら技術や資格を取得するのがいいでしょう。
しかし、子どもが小さいうちは特に自宅で働けるのが理想ですよね。
しかも、それで内地と同等の収入を得られたら…。
そんな都合のいい話があるわけないと思っている人も多いのではないでしょうか。
しかし、Webライターとして活躍できれば、沖縄のシングルマザーでもその両方を実現するのも夢ではありません。
沖縄で高単価のWebライターを目指そう!
Webライターのいいところは、場所や時間を選ばず仕事ができることです。
パソコンとインターネット環境があれば、だれでも始められます。
また、大半の人はパソコンで文章を書いたことがあると思うので、初心者でも始めやすいのも魅力です。
Webライターなら、沖縄に住みながら内地と同等の収入を得ることも可能で、キャリアアップも目指しやすいというメリットもあります。
東京で会社勤めをしていたころ、子どもの都合で早退が続き、申し訳なさそうにしている同僚を目にしてきました。
悪いことをしているわけではないのに、後ろめたい気持ちになってしまうこともありますよね。
自宅で働けるWebライターなら、そんな思いをすることもありません。
このように、子育て中のシングルマザーも自分の都合で仕事を調整しやすいのも、Webライターのいいところです。
まとめ
この記事では、沖縄県にシングルマザーが多い理由について解説しました。
離婚率が高いことに加え、経済的な問題、雇用環境、価値観など、シングルマザーが増える背景にはさまざまな影響があることがわかります。
しかし、シングルマザーの家庭だからといって、貧困から抜け出せないわけではありません。
Webライターをはじめ、在宅で働きながら高い収入を得る方法はたくさんあります。
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